心は傷つけてなんぼ
というのは私の座右の銘のひとつ。例によって例の如く『表現の自由を脅かすもの』から関係ありそうなところを引用。 それにしてもこの本も入手困難になってるみたいだな。『人間の測りまちがい』もそうだけど最近人に薦めたいよい本ほど入手困難になっている。...
View Article星新一『囚人』
ボンボンと悪夢 (新潮文庫)より。 ある刑務所。そこにいる囚人は彼たった一人。しかも牢の鍵は自分が持っている。 「まったく変なことになったものだ。犯罪者でもないおれが、刑務所のなかにいる。そして、きみたちは脱獄の邪魔をしないばかりか、内心ではしてくれるよう祈っている。しかし、おれは出ていかない。なれてはきたものの、時たま考えるとおかしくなってくる」...
View Articleリー・M. シルヴァー『人類最後のタブー―バイオテクノロジーが直面する生命倫理とは』
宗教右派と自然崇拝の左派、双方からのバイオテクノロジーに対する反発に対する、分子生物学者の立場からの批判。この手の話に慣れている人にとっては改めてすごい話は出ないと思うが、その分網羅性が高く、どんな人にも非常におすすめである。 原題は“Challenging Natrue – The Clash of Science and Spirituality at the New Frontiers...
View Articleエドワード・オズボーン・ウィルソン『知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合』
『社会生物学』で有名なエドワード・オズボーン・ウィルソンの本。 読んだのは大分前だが、下のシロアリの倫理のくだりをメモしたくてもう一度借りてきた。 人間が自明と思っている様々な倫理・道徳が、高い知能・複雑な社会から直接に出てくるわけではなく、進化や遺伝と不可分なのだということを言った、有名なたとえ話。...
View Article「無責任な純粋さ」
『健康帝国ナチス』に出てくる言葉。ヘルベルト・メルテンがどういう人かも、どういう文脈で言ったのかも知らないのだが、なかなかうまい言葉だと思う。ちょっと前に読んだ『平気でうそをつく人たち』とも共通する話。 要は「悪」と一口に言ってもいろいろあって、なにも北斗の拳のモヒカンがやるようなヒャッハー的わかりやすい悪ばかりではなく、もっと微妙・巧妙でしかもありふれた悪があるということ。...
View Articleマイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』
原題 “Justice – What’s the Right Thing to do?”(『正義――何が正しいことなのか?』)NHKでハーバード白熱教室として放送されているらしい講義の書籍化。 歴史を足早におさらいする感じや、日本での流行り方からは、正義論に集中した『ソフィーの世界』、といった印象を受ける。...
View Articleみんな進化論を絶対視しすぎじゃないかな
マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』 元より長くなってしまったが、上記エントリに対する補足。 はてなブックマークのコメントなどで、あまり予想していなかった反応がいくつかあった。そのほとんどは「ちょうど進化論以前の生物分類学のようなものになる」という部分を、過度に否定的な意味に受け取った結果と思われる。...
View Article書評在庫一掃セール2010年10月版
最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『5万年前―このとき人類の壮大な旅が始まった』★...
View Articleおすすめ本書評まとめ2015年12月版
『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』★★★★★ ジョセフ・ヒース著、アンドルー・ポター著。話そのものは「ヒッピーからヤッピーへ」等のキーワードで知ってたし、批判的な人には当たり前な感じだけど、自身リベラルな人がこうやってまとめたところに価値があると思う。超おすすめ。 『ルールに従う―社会科学の規範理論序説』★★...
View Articleおすすめ本書評まとめ2016年6月版
『東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.(5)』★★★ 春河もえ著。ZUN原作。ぬえ・文・聖etc. まだまだ面白い。 『おひさま もっちゃん! 漫画家パパの育児日記』★★ 丸本チンタ著。なかなかおもろい。 『親バカと言われますが、自覚はありません。 イクメンパパの奮闘日記』★ 丸本チンタ著。上の実質前編? 『生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学』★★★★★...
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